みずほ銀行システム統合苦悩の19年


おススメ度:★★★★☆
(⇒記号で表せないですが4.4ぐらい)

【所感】
・日経コンピュータの記事を編集・加筆したものなので読んでて時系列等が「?」となる部分もあるが、システム屋さんであれば興味深い内容。(本自体、けっこう売れてるみたいです)

・「2025年の崖」対策を既に行っている事例として参考になる。特に、
 - 属人化の脱却
 - ユーザー側でのシステム要員の醸成
 - SOAの全面採用(⇒発展形がマイクロサービス)

という点において意義が大きく、他業界も十分参考になる。

・業務のためのシステム構築だけでなく、戦略的な武器としてのシステム刷新の重要性についても窺え、興味深かった。

【サマリ】
・「IT界のサグラダ・ファミリア」と揶揄されるほど長らく未完だった、巨大かつ複雑なシステムが19年かけて2019年に完成。

・プロジェクトとして4000億円台半ば、参画会社約1000社、35万人月の規模。

・みずほとしては、
 - 合併直後の2002年
  - 東日本大震災の起きた2011年

の2度にわたって大障害を起こしていて、みずほFGの経営陣のITシステムへの無知や、有事への備え(BCP)の不徹底によるものだったと分析。

・今回のシステム統合ではその反省を踏まえた人員体制、プロジェクト管理手法を取り、十分な対策をした上で移行に成功した。

・基幹システムとしての精度を上げるべく、現場を何度も巻き込みながら業務フロー、操作方法を確認。窓口への教育担当も各地方に計170人ほど配置し、現場フォローも徹底。

・業界としてはFintechや他業界からの参入による複数の波が押し寄せる中、システムとしても他社提携・他システム連携を見据え、今後の流れにも対応していける作りを前提とした。

コラムシェア みんなつなガル

昼間我慢して、夜酒を飲んで愚痴を言うのが正しいサラリーマン?昼も心の声と行動を一致させて楽しく生きるすべをIT会社営業の立場で挑戦してみてる人のコラム。

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