人に何かを伝えるとき、
「例え話を使って、簡単に理解させる方法が効果的」
とは、よく言われる話です。
これは、「例え」と「簡単」に分解して科学できます。
まず「簡単」
人は簡単にスラスラ理解出来ると、そこに備わった【妥当性】や【価値】を大きく考える傾向があります。
簡単に説明出来ていると、それこそが真理だ!重要な事だ!と思われやすいんですね。
※上司に説明して理解を得るときに簡単なストーリーにする為のウソは正義だ!と言われたりするくらい強烈な効果があります。
もう一つの「例え」
人は自分自身に関する事が、注意を引きつける最大の磁石です。
だから、聞き手自身の体験に関連するような例えにすると、話の内容に対してより注意を引きつける事ができます。
人の思考は「聞いた単語から自分の脳でつながる連想に支配されている」ので、
話し手の体験を一生懸命伝えるより、聞き手の脳内で上手く連想させてしまう単語を使った方が効果的です。
例えば
ある犯罪が蔓延した国があるとして、犯罪行為の厳罰化をやりたい政治家は国民に対して犯罪者の事を「野獣」と表現した方がよいです。なぜなら人は「野獣」は檻に入れておくとの連想が働きます。
一方、社会的な構造を変えたいと思っている政治家は、犯罪者の事を「病原菌」と表現した方がよいです。
「病原菌」は元を断つ物との連想が働きます。
人の思考回路は連想によってつながっていて、最近の言語学においては
「言葉とは事実を表現するツール」
ではなく、
「相手の連想を開始させる為のトリガー」
でしかない。
との研究もあります。
自分が発した単語が、相手の頭の中では自分とは違う連想につながっていて、何か誤解されて説明が大変だったって経験ある人も多いと思います。
「言葉は自分の考えを正しく表現するもの。ではなく、相手の頭の中の連想のトリガーとして機能している」
こう定義すると自分で発信する言葉が変わってきそうですね(^^)
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